■イントロダクション
恋人を失くした時、全てが崩れた気がした。
残ったものは形見のペンダントと無意味な日々だけ。 恋愛なんてしない。熱くなれるものなんてない。 ――そう、思っていた。 かけがえのないものを失った主人公・沢野正紀は、冷えきった毎日を送っていた。 何もないと思っていた日々、誰のことも好きにならないと思っていた日々。 しかしそれは、やがて周りの人間によって塗り替えられていく。 誰かに想われることを知り、自分から動くことを思い出した時。 そして、過去を受け入れた時。 また、誰かと道を走れるだろうか。 また、人を好きになれるだろうか。 今度こそは、しっかり掴んでいられるだろうか―― ■ストーリー 正紀にとって、何もかもが順調だった。 陸上では並外れた成績を残し、学校では良好な人間関係を築いていた。 いずれも、幼馴染や妹、何より隣にいる彼女が支えてくれたから。 紡いだ時間はいつも、誰かと共にあった。 そして、そんな輝かしい時間は、これからも続いていくものだと思っていた。 だがある日、共に走り続けていた彼女がこの世を去ってしまう。 絶望の闇に迷い込んだ正紀は道を見失い、立ち止まり、ついには暴力沙汰を起こすまでに落ちぶれる。 天才と呼ばれていた彼は、いつしか不良と恐れられるようにまでなっていた。 それでも正紀は、夢の中で空想の彼女との逢瀬を重ねる。 凍てつき、荒んでいく心。 それは世界を拒絶するように、ゆっくりと閉じられていく。 けれどそんな彼に、一人の少女が手を差し伸べる。 彼女の手に宿る温もりは、正紀の凍てついた心をゆっくりと融かしていく。 果たして正紀は、再び走り出すことが出来るのだろうか―― |
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